多発性嚢胞腎について




みゅーちゃんは「多発性嚢胞腎」なる病気らしいのですが,正直なところ,始めは「ほんまにそんなに複雑な病気なん?」って感じでした.「多発性嚢胞腎」は,遺伝疾患なので正確な診断はDNA検査をすることで確定するようですが,私たちはそこまで望みませんでした.まぁ,だから確定してないとえば確定していません.

ただ,獣医さんのいう通り,いろんな条件や症状や所見やデータから,老齢による腎不全じゃないことは明らかでしたし,慎重に選んだ信頼する獣医さんがそうだと言うならそうなんだろうなーという感じです.ネットで見るいろんな情報とも合致するしね.ペルシャ猫でよくある病気みたいだけど,みゅーちゃんのような野良の場合,どっからどう遺伝してきたかなんてわからないもんね.

最初の頃はいろいろ調べたけど,人間でも難病指定されてるような病気なんだし,結局のところどうしようもないんだなー,と思ったのでした.諦めるというよりも,向き合うしかないね,と.


そして1年経って, みゅーちゃんのブログに訪れてくれる人が結構な頻度で

「猫 多発性嚢胞腎」

というキーワード検索でたどり着いていることに気づきました.


やっぱり多発性嚢胞腎って診断される猫って他にもいるなんだなぁ...というのが素直な感想です.治療薬もないし,腎不全の子と同じように療法食を食べて進行を遅らせるしかない.みゅーちゃんの場合は,まだ若い(5歳にはなっているらしい)ので,きっと頑張ってくれると思っていますが,心配は尽きません.

んなわけで今日は,久しぶりに私も検索してみました.そして見つけたとある動物病院のブログ.猫さんへの愛情と,当該飼い主さん,ひいては同じ病気のすべての飼い主さんに対して真摯で思いやりのある内容だなーと思いました.うちの先生も,みゅーちゃんのケースを書いてくれないかなぁと思いました.

以下に少し抜粋させて頂きます.


多発性嚢胞腎で闘病中の猫ちゃん【京都府 宇治市 いちのさか動物病院】
http://blog.livedoor.jp/chisukeblog/archives/1942690.html

”早期に腎不全症状が出ているため、残念ながら十数年先といった
多くの猫たちのような平均寿命は望めない可能性があること、
(一番伝えづらく、でもちゃんと伝えておかなければいけないと思い
伝えましたが、胃が痛くなりました)

嚢胞内で感染が発生した場合、治療が必要となること、今後の治療としては脱水の補正と予防、低リン食とともにリンの吸着剤、黒色便がみられるとのことでしたので胃腸薬と、多発性嚢胞腎では高血圧はあまり見られないとの記載がありましたが、慢性腎不全を発症しているので、降圧剤の使用をお伝えしました。”

この辺りの診断までの経緯は,まさにうちの先生と同じような感じです.エコーで何度か見てみて,どうも右の腎臓の組織がおかしくてエコーで見にくい→レントゲン撮ると膨らんでる.よくよくエコーを見ると,丸い嚢胞が見える.というものでした.それで,特にこの獣医さんが,PSのところで書かれている内容,

”記事にさせていただけたらと考えた事の一つ目は同じ病気の診断を受けた猫ちゃんの飼い主さんが病気について検索されると思うのですが、獣医学書にも原因・症状・対処方法(慢性腎不全の治療に準ず)が簡素に記載されているだけで、病気の推移についてはあまり記載がなかったためです。(中略)点滴の是非は別として、治療を続けているとこういったこともあるのだなと知っていただけるだけでも、新たに告知を受けたばかりの飼い主さんにとって、いくばくかではあるかもしれませんが、希望が持てるかもと思ってのことでした。”

 これがまさに,私がブログを始めた理由の一つである,みゅーちゃんの経緯を記録しておけば,どこかの誰かの(猫さんの)役にたったり励ましになったりしないかなーという思いそのものです.こういう情報を獣医さんが発信してくれるのは,本当にありがたいことです.

多発性嚢胞腎については,岩手大学農学部のホームページが詳しいです.さらに,岩手大学の方が発表された獣医師会の学会の予稿でしょうか,「猫の多発性嚢胞腎の最新知見」なるPDFがアップされているのを見つけました.画像をpdfにリンクしています.(6/21追記)
akita-yoitoko.com/speech/pdf/3-31-3.pdf
akita-yoitoko.com/speech/pdf/3-31-3.pdf

ここには治療薬についての言及がありました.ちょっと抜粋させていただくと,
”ADPKDの治療薬については、世界各国で嚢胞発生を抑制 させる薬物の臨床試験が行われている。日本ではバソプ レシンV2受容体拮抗薬が、ADPKDの治療薬として初めて承認され、保険適用となっている。この他にソマトスタチ ン、mTOL阻害薬、トリプトライド(漢方薬)、TNFα 阻害薬、スタチンなどの臨床試験が外国で実施されている。 また、ADPKDでは高血圧と病態との関連性が指摘されているため、降圧療法も平行して行われる。
猫においては、これまでPKDの嚢胞形成を直接抑制する治療薬は存在しなかった。私達は猫のPKDに対してもバソプレシンV2受容体拮抗薬が有効であるかどうか、現在PKD 症例に投与して経過を観察している。嚢胞形成阻害作用 の確認には長期間を要するので、その効果判断については未だ暫く待つ必要がある。”

とのこと.平行(並行)が間違ってますけども...予稿の原稿は残っちゃうのでちゃんとチェックしないとですよね.で,まぁ,治療薬の方は,まだまだ臨床試験真っ最中という感じですね.

それからもう一つ重要な情報を見つけました.他のどこかにも記載があったのですが,腎臓だけじゃなくて他の臓器でも起こる可能性があること,それから感染症や結石のリスクがあることに言及しているところがありました.

 猫の多発性嚢胞腎 南が丘動物通信
http://www.minamigaokaah.com/column/column_20151004_1009.html
”本症では嚢胞は腎臓に限局していることが一般的ですが、少ないながらも肝臓や膵臓に認められることもあり、その場合CT検査が有用です。
嚢胞内の液体は感染や出血がなければ透明ですが、嚢胞内の感染の有無が生存日数に関わることが示唆されているため、尿や嚢胞液の細菌感染を定期的にチェックすることは重要となります。”

ということは,みゅーちゃんの膀胱炎はやはりその関係なのだろうか・・・何か膀胱炎を早期に検知する仕組みを考えないとなぁ..顕微鏡買っちゃう?
 
ある日突然うちの前に現れた野良猫と仲良くなって,可愛くなって,誘拐して,病院に行ったら多発性嚢胞腎なんて難しい病気だったという我が家ですが,今のところ,本当に病気なの?ってくらい,毎日よく遊び,よく寝て,よく喋ります.

病気に負けず,長生きしような!


穏やかで心優しくおっちょこちょいなかわいいやつ.

 
病気に負けず,長生きな!!!!!あまえんぼちゃん!!!!!


おいおい,エコーの画像とかもアップしてみようと思います.








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